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ホテルコルテシア東京に学んだプロ意識

映画 東野圭吾「マスカレードホテル」

 

感想(ネタバレ含む)と考察

 

まずは映画のイントロダクションの引用から。

 

累計310万部突破の東野圭吾作品屈指の人気を誇る「マスカレード」シリーズの第一作「マスカレード・ホテル」が発売から7年の歳月を経て、待望の実写映画化!
連続殺人事件を解明する為にホテルに潜入するエリート刑事・新田浩介を演じるのは木村拓哉。検事、総理大臣、天才外科医など様々な職業を演じてきた木村拓哉が、満を持して初の刑事役に挑む。
そして、木村と共に事件の真相に迫る一流ホテルマン・山岸尚美を演じるのは長澤まさみ。更に、日本映画界に欠かすことのできない総勢20名の錚々たる豪華キャストが刑事、ホテルマン、そして、個性豊かな宿泊客として登場する!
次々と現れる素性の知れない宿泊客を、刑事として疑う新田と、ホテルマンとしてお客様を信じる尚美。立場も性格も正反対、まさに“水と油”の異色のバディが、ホテルという非日常の特殊な空間で巻き起こる屈指の難事件に挑む!!
次々と現れる怪しげな宿泊客。ホテルに潜入する刑事たち。
宿泊客を迎えるホテルマンたち。

 

誰が宿泊客で誰が犯人なのか!?

究極の騙し合いに、あなたもきっと騙される!

 

小説から映画というのはあまり好きではありません。

本から得たイメージや感情が制作側の都合で改変されたり、壊されたりするからです。

 

それでもこの作品はとても思い入れが強かったので早速、鑑賞してきました。

 

 

 

この作品を手に取ったのは就職活動中の駅ナカの本屋だったと記憶しています。

そして山手線の内回りからローカル線の乗り換え、自宅へ向かう途中に読み入り、寝る間を惜しんで読み込みました。

 

久しぶりに面白い本に出会えたなという直感。

最初は冗長に進む展開にも関わらず、読み続けられたのは一つ一つの出来事に感じるものがあったからです。

 

本を読んでいて感じ方や思うことは人それぞれだと思います。

その背景にはどんなことが好きなのか、どんなことをしてきたのかというその読み手がどう生きてきたのか、経験してきたのかということが違うからこそ。ティムクック的に言えば「Think Different」、みんな考え方が違うから感じ方も違う。

 

 

 

当時の私は就職活動中でした。

 

就職活動ではみんなが自己分析を通して自分はどんな人間なんだ、どういう人間になりたいのかと考えます。

 

企業側が求める人材、学生が求める職場。

 

そのマッチングが就職活動ですね。

 

いかに自社に必要な人材か判断するために訳のわからない質問を飛ばしてくる面接官。

いかに自分が有能であるかあの手この手でアピールする学生。

 

今、思うと就職活動ってそんなもんなんだなと思います。

このご時世、一生同じ企業で働く訳ではないですから、もっと腹を割って話してもいいと思ったりもします。

 

 

 

そんな時期にこの本の山岸さんの考え方に触れました。

自分はどんな業界に入りたいのか、どんな企業に入りたいのか、仕事がしたいのか。

 

その一つの例として仕事に対する姿勢、誇りを持つということで山岸さんの仕事観に惚れました。

 

どんなお客様も仮面を被っておられる、その奥にある素顔を考えながらも決してその仮面を剥がしてはいけない。

 

こんな感じの言葉がとても印象的でした。

 

多くの社会人はある種、サービス業というか働いている以上、人と接する機会は多くああります。それがお客様だったとしてお客様は神様ということを思う人はいるでしょうか。

どうしてこんな理不尽なことや、明らかに相手が間違っているのにお客様であるとして接しなくてはならないのか。

こんなやつはお客様ではないと思うことばかりだと思います。

 

それでもお客様はお客様であるという考えて接することができる、それくらい自分の仕事に誇りを持っていることが例えようもないくらいかっこいい、そう思いました。

 

テルマンとしてお客様に最高のサービスを提供する、それが仕事である。

 

そう信じている山岸さんの仕事観に心底、心酔しました。

 

刑事の新田さんが同じように仕事にプライドを持っている中でホテルマンとしての仕事にも理解を示し、変わっていくのと同時に私も変わっていくのを感じました。

 

普段はお客様と接する機会の多い私の仕事において自分はどう接しているのだろう、お客様としてサービスを提供できているのだろうか。

 

改めて考えさせられました。

 

今後、自分もお客様は神様なんてことは微塵も思いませんが、自分の仕事にプライドをもち、それに対して自分の仕事のお客様であるという認識を忘れずに、接していきたいと思います。